2008年11月05日

エナン私的観戦記(9)

2008年のイヤーエンドチャンピオンシップスが始まりました。今年はガオラが全試合生中継。くそー、もう1年早く、それをやってくれれば。昨年の今頃は、夜中の2時からライブスコアボードにかぶりつき。どこそこのネットにライブストリームがあるという情報にありついては嬉々として、ワクワクドキドキ観戦したものだ。
ちなみに今年のメンツは、ヤンコビッチ、サフィナ、セレナ、イワノビッチ、デメ、クズ、ビーナス、ズボナレワ。ウイリアムズ姉妹が何年ぶりかの揃い踏み。セルビアとロシアとアメリカ人しかいないマスターズ。エナンもいなけりゃシャラポアもバルトリもいない。つまらんの。

■2002年 リンツ〜マスターズ

●イヤーエンドチャンピオンシップス前のティア2、リンツの大会でエナンはこの年2つ目のタイトルを獲得した。決勝の相手はアレキサンドラ・スチーブンソンである。この選手はまだ現役なのか? この決勝後、表舞台に出てきたのを見たことはない。
 私にとっては印象深い選手である。1999年のウインブルドンのセミファイナリスト。私はその前のフレンチのヒンギス対グラフでテニスファンになったばかりだったから、このウインブルドンは始めからNHKで見ていた。クオーターファイナル、当時シンデレラストーリーを地でいったドキッチとの十代対決を制し、セミでダベンポートに敗れた。同じく十代でセミまで勝ち進んだミリヤナ・ルチッチとともに将来を嘱望された選手である。何の因果か、この年大活躍した3人のティーンエイジャーはその後、低迷を窮めることとなる。
 そのスチーブンソンが、2002年のリンツの決勝まで勝ち上がってきた時は、何か唐突な感があった。しかし、この試合で久々に見たスチーブンソンは、やはり並の選手ではなかった。いわゆるバカ打ち系なのだが、そのボールの威力はウイリアムズ姉妹に匹敵する。サーブも強烈。順調に成長していれば、こわい選手になったのに。バックハンドは片手。ガタイも大きければスイングも大きいスチーブンソンの片手バックは、エナンのそれよりフラットなので、まともに当たれば威力はあった。が、まともに当たればの話。エナンのようなタメもなければ、器用さも持ち合わせていなかった。で、この決勝戦。63,61ぐらいで簡単に勝った。スチーブンソンは脚を痛めていて、第2セット途中でインジュリータイムアウト。いったんコートを引き上げ治療を施して戻ってきたが、その後はほとんど試合にならなかったような。

 この試合、エナンのウエアはオレンジのシャツと黒のスコートだった。ルコックの中ではよい方であった。

●マスターズ(LA)
 なぜかこの年からマスターズの開催地はロスになった。前年、ミュンヘンに移されたばかりだったのに、観客が集まらず失敗という評価である。しかし、ロスのステープルセンターで行われたマスターズは、もっとひどかった。NBAの、なんていう名前か忘れたが大チームのフランチャイズ。2万人も入るという大体育館。そこの一階席が半分も埋まらなかった。試合中に「VIP席の客がワインのコルク栓を抜く音が聞こえる」と書かれるほど、静まりかえっていたのである。
 この年も約一ヶ月遅れでガオラで放送されたのだが、本当にガラガラだった。とても女子最高峰が集って競う大会とは思えない。スーパーボウルと重なっていた時期かもしれないが、アメリカ勢の全盛期になぜこんなに人が集まらなかったのか。もともとテニス用のスタジアムでないから、カメラの位置も中途半端に高く、ボールのスピード感がまったく伝わってこない。サーフェスはハードということなのだが、ボールの音がボコボコして、ぜんぜんハードらしくない。
 この年のイヤーエンドチャンピオンシップスまでは上位16人によるトーナメント制だった。エナンの初戦の相手はデメ。勝てば、クオーターでキム。
 デメにはストレート勝ちを収めたが、クオーターではキムに26,16と完敗した。第1セットの序盤は競りに競った。しかし力はキムが上だった。上位の選手がよく下位の選手に対して試合序盤は競るけれど、そのうち調子を上げて簡単に勝つというパターンがあるが、まさにそれだった。エナンはポストマッチインタビューで「とても疲れていた」と言っている。「長いシーズンの終わりでとても疲れている。みんな疲れている。といって、ほかに選択肢はないし」。いずれにしろ、エナンとキムの力の差が明らかにされた試合だった。
 そしてキムはセミでビーナスに勝ち(ビーナスは、どこか傷めて途中棄権したんだっけか?)、決勝はセレナ戦。私は昼間、仕事場でライブスコアボードを開けた。キムが大量リードを奪っているところだった。スコアは覚えていないが、キムが優勝! あのウイリアムズ姉妹を連破したという点では喜ばしい出来事だったが、これでキムにうーんと水を開けられた点では悔しくもあり、まったく素直には喜べなかった。

 その一週間後、エナンは結婚式を挙げた。この5年後にキムが結婚式の準備が忙しいのなんの言っていたのとは対照的で、エナンはマスターズのインタビューでも「結婚のことは今はぜんぜん頭にない」と、それどころではなかったのである。オマケに結婚式の三日前には、地元ベルギーでキムとエキシビジョンマッチをしている。エキシビながらストレート負けして、それすらけっこう悔しく思ったもので、私のエナンフリークもかなり度を超して来てた頃である。何かの記事では「キムはエナンを破った最後の選手になった」と書かれた。つまり三日後にはエナン・アルデンヌになってしまうからだ。
 エナンの結婚式は、いわば地味婚。近所の教会で挙式した。父も兄妹も呼ばなかったエナンの付添人は母方の叔父だった。カルロスと幼友達のオリビエ・ロフスは参列していた。三人で写った写真がある。白いシンプルなデザインのウエディングドレス、髪を全部アップしてメイクばっちりのエナン。タキシードのピエールはかっこよく、二人は本当に若く美しいカップルだった。
 エナンの名前はジュスティーヌ・エナン・アルデンヌとなった。それまで誰よりも短かかった名前が、誰よりも長くなった。

〜〜〜〜

 2002年。先にビッグタイトルを手にしたのはキムだった。この頃のWTAworld.comでは、来年どこでキムがグランドスラムを獲るかという話題で沸いていた。打倒ウイリアムズに足る一番手として期待が高まる。ランキングはキムが4位。エナンは昨年から2つ上げて5位でフィニッシュだから、ぜんぜん悪くない。それでもこの時期、エナンはキムの後塵を拝し、ベルギーでも完全に二番手扱いだった。私もこの頃は、キムがグランドスラムを獲るのは時間の問題だなと思っていた。
 アメリカ人の鬼&名トレーナーとして知られるパット・エチェベリーとチームを組んだのは、このオフシーズンのことだ。どういう経緯でそうなったのかわからないが、以前どこかでエナンを見たパットが、エナンに「君は能力の半分しか使えていない」と言ったそうな。フィジカルが不十分なので能力が十分発揮できていないということだ。エナン自身、パワー不足を痛感していたことだろう。パットの拠点はフロリダ。アメリカ嫌いのエナンが、それも押してフロリダベースでハードトレーニングをする決意をした。
posted by ochappa at 23:28| Comment(7) | TrackBack(0) | エナン観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今OSしたばっかりエナンのAdidas interview/fashion showビデオ5月23パリのAdidas店のイベント
http://www.mediafire.com/?rtzm9p99uts
Posted by グリニー at 2008年11月10日 17:02
サンキュー↑!
女子のツアーが終わりましたね。


Posted by ochappa at 2008年11月10日 22:42
そう終わりました、あんまりつまらなっくてこんな記事もあった。この人Tom TebbitはいつもWTAやアメリカのテニスcheerleaderが今年はスゴイイ悪くってあり得ない。^^

エナンは本当は#1のカリスマが強いだった。
Posted by グリニー at 2008年11月10日 23:51
Posted by グリニー at 2008年11月10日 23:52
エナンファンでなくても、今のWTAつまらないっていう意見ですね。ほんまほんま。
しかしなんだろうねー、マスターズをちょっとずつ見たけど、ヤンコとかズボナレワとかデメさんとか、すごいラリーしてるんだよね。でも、つまらない;;
なんだろうーこの凡庸さは。と、最近考えてます。

Posted by ochappa at 2008年11月11日 15:58
確かにデメ、ヤンコとビーラは真剣にがんばっていたがエナンの100%はあの人たちとくらべない。トップ16では200%?なんか違う。ヤンコもエナンと試合時はもっとハードにプレイーしてた。エナンのレベルが高いからreach for the stars。???
Posted by グリニー at 2008年11月11日 19:25
ヤンコは去年よりパワフルになって、上手くなったと思う。でもエナンのテニスにあった意外性というか華というか、そういうもんが感じられない;;
昨日、久しぶりにフェデラーのテニスを見ました。負けちゃったけど、やっぱり面白かった。勝っても負けてもフェデのテニスは美しいし面白い。ロジャーとツォンガを応援してます。

Posted by ochappa at 2008年11月12日 00:55
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